【韓国】北朝鮮に一番近い島！韓国・仁川（インチョン）から行ける白翎島（ペンニョンド）とは？

北朝鮮と日本は国交がなく、基本的には日本人は北朝鮮へ行くことができません。

しかし北朝鮮と接する韓国には、ソウルよりも平壌に近いという島が存在します。

白翎島の地理情報

白翎島は韓国・仁川（インチョン）広域市に属する島で、仁川中心部から約193kmも離れた黄海にあります。

仁川といえば空港のあるところだという認識があると思いますが、仁川市内には151島があり、有人島が39島、無人島が112島あります。

面積は46.37㎢で石川県の能登島とほぼ同じ、人口は4700人程度です。

白翎島の歴史

太平洋戦争が終わった1945年、白翎島は北緯37度に位置するためアメリカ占領下に置かれ、京畿道甕津郡として再編されました。朝鮮戦争の後、同じくアメリカ占領下だった甕津半島はすべて北朝鮮領となりましたが、その南沖に点在する白翎島・大青島・小青島、および延坪島などは韓国領にとどまりました。その後1995年、甕津郡が仁川広域市に編入され、現在の形になりました。

北朝鮮との関係

海域をめぐる主張

朝鮮戦争停戦後の1953年8月、国連軍が宣言した北方限界線 (NLL)が白翎島の北方を走っています。

しかし北朝鮮は1999年9月に北方限界線の無効と独自の「海上軍事境界線」を白翎島の南方に設定。

これだと白翎島は北朝鮮の海域内に位置することになってしまいますが、北朝鮮はアメリカ艦艇や民間の船が通行できる第一区域と通じる第一水路を設定しています。

このため韓国本土から白翎島までは民間人も行くことができます。

天安沈没事件（2010年）

海域を巡って対立している韓国と北朝鮮ですが、2010年には韓国海軍のコルベット「天安」が北朝鮮の魚雷攻撃によって沈没させられ46名の方が亡くなる痛ましい事件がおきました。北朝鮮側は関与を否定しているものの、第三国の合同調査団による数ヶ月の調査により、魚雷攻撃であったと結論付られています。

「沈清伝（シムチョンジョン）」伝説の舞台

「沈清伝」は韓国の古典小説です。もともとはパンソリという伝統口承で語り継がれていたもので、韓国人なら誰しもが知っている有名な話です。儒教の「孝」（親を大切にする）をテーマとした代表的な作品で、海外からの評価も高い作品です。そんな沈清伝は白翎島が舞台といわれています。

あらすじ

産後7日で亡くなった母に変わり、貧しい盲目の父親に懸命に育てられた可憐な少女・沈清。父親は供養米300石を備えて祈れば目が開くと僧侶に言われ約束をしたが、その約束を後悔し涙を流す。そんな父の姿を見た沈清は、船乗りたちと約束をし米300石で航路の生贄として自らの命を捧げる。しかし沈清の親孝行な姿に天が感動し、還生して一国の皇后となり、父親と再会する。

白翎島への行き方

仁川港から１日2便就航しています。所要時間は約4時間です。

天候や潮の状況によって運行スケジュールは変わるため事前に確認をしてください。

運行会社名	船名	出発地	寄港地（出発）	到着地
高麗高速フェリー株式会社	コリアプライド号	仁川 （08:30）	白翎島 （13:30）	仁川 （17:10）
高麗高速フェリー株式会社	コリアプリンセス号	仁川 （12:30）	白翎島 (7:00)	仁川 （11:00）

＜白霊島 往復料金（ウォン）＞	大人	中高生	シニア	子供
コリアプライド号	143,400	129,400	115,400	71,700
コリアプリンセス号	66,500	60,000	53,500	33,250

白翎島の見所

遊覧船に乗って絶景と野生のアザラシを見たい！

島の北部・頭武津（トゥムジン）は約10億年もの歳月を経てつくられた岩石です。絶景として評判のスポットなのでぜひ訪れたいですね。

遊覧船のコースでは運がよければ野生のアザラシに出会えるかもしれません。白翎島は韓国で唯一野生のゴマフアザラシが生息しています。

沙串（サゴッ）海岸で沈まない砂浜を体験！

沙串海岸は島の東部にある海岸です。ここは砂浜の砂がとても細かく、歩いても足が沈まない、自転車もそのまま走れてしまうという不思議な海岸です。あまりに砂浜が硬いことから朝鮮戦争の緊急時にはこの海岸が飛行機の離発着が行われた「天然飛行場」として使われました。このような特別な地質はイタリアのナポリビーチとここだけだそうです。

コンドル海岸の石のビーチでのんびり

島の南東部にあるコンドル海岸は、砂でも砂利でもなく丸い石が一面に広がるビーチです。カクカクした石が丸くなるまでには長い月日が必要で、その稀少性から国の天然記念物に指定されています。

まとめ

白翎島は歴史、軍事、文学、自然と色々な面を持ち合わせている島です。普通の韓国旅行とは違う、ディープな旅になること間違いなしの白翎島旅行へぜひ行ってみたいですね！